りーろぐ

2歳児を育てる外資系ワーママの徒然日記

【読書記録】能面検事(中山七里)

いつもジャケ買いならぬ作家買いで本を選んでしまうことが多く、正直好きな作家さんの本はすべて読みつくしているので、新しい出会いを楽しんでいる今日この頃。

今回は、初めて中山七里さんの著書を拝読。 

能面検事

能面検事

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舞台は大阪、大阪地検一級検事と新米検事事務官が立ち向かうのは、ストーカー殺人事件。その過程で検事が大阪府警の一大スキャンダルを発見してしまう。孤立しても、嫌われても、自分の流儀を貫いてただ自らの責務を果たしていく”能面”検事のミステリー小説。

スピード感があって、どんどん読み進められる一冊でした。シリーズ化されそうな雰囲気漂う終わり方。

一匹狼でも、己の流儀、正義を貫いて突き進む主人公の検事、不破の姿には、サラリーマンとして少し憧れる部分がありました。

企業に努めるいち会社員として、これって本当にお客様のためになるの?とか、このやり方っておかしくない?とか、疑問を呈したい場面って本当に毎日たくさんあって。でも正直、それらのすべてを正面から突き付けて押し通すほどのことはなかなかできなくて、ぐっとこらえて水面下で準備をすすめたり、見えないところで仲間を募って根回ししたり、そういうことしかできないんですよね。

それが悪いとも思わないけれど、それでもああ、不破のようにびしっと正論を言えるだけの覚悟が私にあれば、どんなにラクだろう、と思わずにはいられませんでした。とはいえ、ここまで敵を増やす覚悟を持つのは、並大抵の人間じゃ無理だろうけど…

著者の中山七里さんが書かれて、第8回「このミステリーがすごい!」対象を受賞されている『さよならドビュッシー』もまた読んでみたいと思います。