りーろぐ

2歳児を育てる外資系ワーママの徒然日記

【読書記録】マイ・ストーリー(ミシェル・オバマ)

気になっていた「マイ・ストーリー」を読みました。

幼少期、決して裕福ではない家庭に育ちながらも、プリンストン大学に入学、教室では珍しい”黒人女性”として学ぶ。弁護士として働き始めた彼女は、当時法学生であるバラク・オバマと出会い、人生が一変していく…

私自身、九州の田舎で生まれ、平凡だけれども温かい家庭に育ち、海外生活を送った小・中学生時代には異色の”アジア人”ということで人種差別やいじめを受け、また帰国後やっと自分の国に帰ってきた!と思ったら今度は同じ日本人から”帰国子女”を理由にいじめられ、不登校になるという経験をしました。

こういったことは最早、規模の大小を問わず、全国各地で、いや全世界中で起きていることだと思います。それはとても悲しく、腹が立ち、理不尽の塊ようなものであることも多い。それでも彼女が言うように、「現実という地面にしっかりと足とつけ、同時に進むべき方向に目を向ける。~中略~そうしてよりよい現実を、たとえ最初は頭の中だけでも築き上げることができれば、人はきっとどこかにたどりつける。」そういう風に生きていくことが、私たちが取れる最大かつ最高の選択肢であるように思えました。

娘として、黒人として、女性として、母親として、妻として、組織で働く人間として、友人として、そしてファーストレディーとして。

いくつもの局面で、過酷な現実に向き合いながらも、いつもそれを理解し、受け入れ、ただし迎合はせず、いつも自分がどうありたいか?どうあるべきか?を見失わずに前進し続けたその謙虚さとパワーがひしひしと感じられる一冊でした。

この本を読み終えたあと、私の心に一番に浮かんだのは”エンパワーメント”という言葉。自分の経験をもとに誰かをエンパワーする。自分の乗り越えた困難を誰かのパワーに変える。人を勇気づけ、励まし、この先に大きな未来があるのだということを知る勇気と機会を与える。

それは彼女がファーストレディーでなくてもきっと実践していたことだと思いますし、私たちの誰もが、身近な誰かに実践できることのように思います。まずは自分の家族や友人に。そしてもしそれが望まれるなら、もっともっと広い人たちへ。